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【ECサイト改善】検索クエリを分析して改善へ

多くのECサイトにおいて、検索機能が使いやすさに与える影響は大変大きいものになっています。
その検索機能を改善することができればユーザービリティーやUXをグッと高めることができます。
この記事では、検索機能が提供する体験をどうすれば改善できるかについて考えていきたいと思います。

検索されているクエリの確認

まずおこなうべきことはサイト内で検索されているクエリの確認です。
(この記事では「クエリ」とは「検索窓に入力されたテキスト」ぐらいで捉えてください)
検索クエリはユーザーがどんな行動を取っているかを雄弁に語ってくれ、施策を考える際に非常に役立ちます。
例えば
  • 検索が急に増えたクエリがある
    • → その商品の人気が高まっているのかもしれない
    • → 特集ページでも作成してみようか
  • セットでよく検索されるクエリがある(ブランド名と商品名など)
    • → 片方のクエリで検索した人にサジェストしてみるのはどうか
  • SEOで狙っていなかったけれどユーザーがよく検索しているクエリがある
    • → そのワードでのSEOに力を入れて自然流入を増やそう
  • 商品検索フォームで「問い合わせ」と検索されている
    • → 問い合わせフォームへの導線が見つけられていないかもしれない
    • → 導線を目立たせよう
などなど、改善案をいろいろと見つけることができます。

ユーザーの行動を体験してみる

よく検索されているクエリで実際に検索してみるのも非常に有効です。
その結果として例えば、
  • 関係ない商品ばかりヒットする
    • → 検索ロジックを見直してみようか
  • 商品がヒットしすぎて選べない
    • → 検索クエリの追加や適切な絞り込みを提案してみるのはどうか
  • 商品が全くヒットしない
    • → クエリに近い商品を表示するようにする、どうしたらヒットしそうかを教えてあげる、スペルミスを自動修正する
などなど、こちらもユーザビリティーを高める施策が見つかりそうな気配です。
一個ずつクエリを検索していって体験を確認するのは大変そう、、」と思うかもしれませんが、ざっと確認するのは意外と大変ではありません。
というのも、ユーザーが検索するクエリの多くは同じようなテキストだからです。
一部のよく検索されているものだけを分析すれば、実質的には大部分の割合を抑えることできるわけです。
いわゆるパレートの法則ですね。
もちろんロングテールに当たるクエリにはこまごましたものが並びますが、ここは余裕があれば対応で構わないでしょう。

絞り込みやソートを改善する

クエリで検索した後は絞り込みやソート機能が重要です。
取り扱っている商品の種類やユーザーのタイプによって必要な絞り込みやソートは大きく違い、一概にどんな機能を提供するべきかは言えません。
ですが、この問題を考えるときにも検索クエリの分析は大いに力を発揮します。
  • 「激安」、「お得」などのクエリが多い
    • → 価格の絞り込みやソートが必要そう
  • 地名のクエリが多い
    • → 地域で絞れる機能があったら便利かも
というようにユーザーのニーズに合致していそうな機能を考えることができそうです。

定性調査との使い分け

ここまで読んで「インタビューでユーザーのニーズやウォンツを知る方が良いのでは?」と思った方もいるかもしれません。
自分の考えは「まずはクエリによる定量分析、その後にインタビューなどでの定性分析を組み合わせるのが効率がいい」です。
インタビューでも多くのことが分かりますが、いくつかの問題があります。
  • ユーザーが本当のことを教えてくれるとは限らない
    • 激安」「お得」などのクエリで検索する人は実際には多いですが、インタビューでそのような回答は聞いたことがありません
  • 限られた人数にしか実施できないため、マイノリティなニーズを見つけづらい
もちろん逆に定量分析では分からないような、ユーザーの行動理由が分かるなどのメリットがインタビューや行動観察にはあります。
そのためうまく組み合わせることが重要ですが、まずは費用的にも時間的にもコストがかからないクエリ分析による定量的なアプローチをオススメしたいです。

検索UIのデザイン

このブログにはデザインに関する知見を求めて来てくれているユーザーも多いようなので、本題とは少し離れますが、検索UIのデザインに関しての知見やアイデアにも少し触れたいと思います。
(このサイトに流入しているクエリを分析すると、こういうことも分かります)

検索窓のデザイン

検索窓のデザインにおいて重要なことはウェブのスタンダードを守って、分かりやすくです。
自分がインタビューなどで見てきた範囲では、検索機能を使うユーザーはITリテラシーが高くない人が多いです。
(ITリテラシーが非常に高い人も、検索での条件絞り込み機能を使って探すケースが見られます)
あまりウェブサイトやアプリの使い方に慣れていない人たちは「複雑なナビゲーションから商品を探す方法はよく分からないけれど、検索窓から探す方法ならGoogleやYahoo!で慣れている」と感じて、検索機能を使っているようでした。
このような人たちが探している機能である以上、検索窓を奥まった場所に置いたり、オシャレさ重視で使い方を難しくしたりするのは間違っていると考えられます。
そのため、検索窓の配置やデザインにおいては、以下のようなウェブスタンダードを守ることが重要になってくるでしょう。
  • サイト右上や上部など、よく見る位置に配置する
  • 見た目は白背景に枠線で囲った、よくあるデザインにする
    • 色付き背景や下線だけのデザインは見つけてもらいづらいです
  • 虫眼鏡アイコンを置くなどして、パッと目につくようにしておく
  • 適切なプレースホルダーやボタンテキストで、何を探せるのか、何ができるのかを明示する

まとめ

どうでしょうか、検索クエリを分析するだけでユーザーの利便性を高められそうな気がしてきませんか?
より高度な分析としては、
  • ユーザーの属性と結びつけての分析
    • 30代女性はこういう検索をしているなど
  • コンバージョン率の高いクエリと低いクエリの分析
  • 流入元別のクエリ分析
  • 検索後の行動分析
    • 1つも商品をクリックせずに離脱してしまっていたら、検索結果が合っていないのでは?など
といったことも考えられます。
検索クエリは、簡単な分析から高度な分析までいろいろなことを教えてくれる宝の山です。ECサイトを運営している場合はぜひ分析をしてみてください。

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